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vol.1 2018/06/11

デートをするときはどんな席がいい? ケンカにならない視線の心理学

恋人と楽しい時間を過ごすには座る位置が重要!?

恋人とのディナー。できるだけ楽しい時間を過ごしたいですよね。今月はそんなときに役立つ「デートのときの席」についてお話しします。

突然ですが、大切な恋人とのディナーで、あなたはどんなことに一番気を配っていますか?ファッション?トーク?レストランのチョイス?確かにどれも大切なことですが、心理学で重視されているのは、なんと「視界」なんです。

どういうことかというと...、おしゃべりをしているときに、「相手の瞳に何が映っているか?」が大切ということ。言いかえれば「どんな配置で座って話をするか」が、人間関係に大きな影響をあたえるということなんです。

どこに座るか...、そんなところにまで気を配れる人は、デートの達人といえるかも。なぜなら、座るポジションによって、相手から嫌われたり、ケンカになってしまったりということが少なくなると心理学の実験で示されているんです。この視界のマジック、学者の名前をとって「スティンザー効果」とよばれています。

座る位置によって、共感度が違う!

スティンザー氏は、「人はどういう配置で座っているとき、どういう会話をするのか?」をテーマに、長年にわたって観察や実験を行いました。

その結果、一番口論が多くなってしまうのは、相手の向かいの席であるという傾向が明らかになったのです。反対に、一番お互いに同調しやすく、「そうだね!わかる、わかる!」となりやすいのは、相手の隣の席だということもはっきり示されています。

つまり、向かい合って食事をするよりも、カウンター席や丸テーブルなどで、できるだけ横並びに座って話すのが、短時間でデートが盛り上がる秘訣ということ!

瞳はわがままです。正面を切って目の前にお互いが立ちふさがると、視界が自由じゃなくなりますよね。だって、相手の顔を見て話すしか、選択肢がないですから。すると、感情の動きもかたくなになるのです。その結果、「僕はそう思わないかな」「私は違うかも~」というように、おのずと反論しあう雰囲気になりがちなのです。

一方、横並びに座っている場合、視界は自由ですよね。会話の流れによって、横を向いてお互いを見つめあうこともできるし、前を向けばお互いの姿が見えなくなって、ちょっと休憩もできる。好きなところを見て話せるわけです。それにともなって、感情の動きも柔らかで自由になり、リラックスできるので、デートは共感しあえる、楽しい時間になりやすいんです。だから、視界に気を配ることは大切なんですよ。

ちなみに、もし相手とケンカをしてしまい、うまく仲直りしたいときにも同じことが言えます。面と向かって謝るよりも、例えば公園のベンチや、横に座れるソファー、バーのカウンターなどで、横顔に向かって謝るほうが許してもらいやすい。

隣に座るというのは、少し勇気がいりますが、この心理学はビジネスや外交でも有効に使われています。対立してでも議論をするべきときには真正面に!でも、親密になりたい、友好を深めたいときには隣に座ることが大切です。この「視線の心理学」を実践すれば、今より人間関係を円滑にできるかもしれません。ぜひお試しくださいね。

さて次回は、ビジネスパーソンなら誰でも気になる「出世にまつわる心理学」をお教えします。お楽しみに!

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