コンタクトレンズのアイシティ トップ>心理学者 植木理恵の瞳にまつわる心理学>社会的IQが高い人は服装から違う!? 自分をよりよく魅せるための心理学
vol.4 2018/09/10

社会的IQが高い人は服装から違う!? 自分をよりよく魅せるための心理学

人の印象はどんなところから判断されているの?

「この人はどんな性格の人なのかな?」と知りたくなったとき、私たちは大きく2つのことを行います。1つは、相手の話す言葉に「耳」をすますこと。そしてもう1つは、相手の姿に「目」を配るということ。私たちは、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚の五感の中でも、あまり知らない人を知ろうとするときは、まず「聴覚」と「視覚」をフル活用させて、相手を知ろうとします。

最近の研究では、「耳」をよく使うときと、「目」をよく使うときでは、知ろうとしている情報が違うことが示されています。「耳」に意識を集中しているときは、相手のことを「冷静かつ論理的に判断しよう」と思っており、「目」に集中して相手を見つめているときは、単に「好きかどうか」を感じようという気持ちが強い。つまり、真剣なことには耳をそばだてる。ざっくりと印象を感じるときは目を見張る...私たちは無意識のうちに耳と目を使い分けながら、人と接しているんですね。

ということは、心から分かってほしいことや、細部まで深く理解してほしいことについては、ビジュアル以上に、「何を」「どんな風に」「どんな声で」話すかに気を配る必要があるということになります。しかし、日常にはそういうシーンはさほど多くないでしょう。仕事でも恋愛でも、最初から込み入った話をするわけではないので、やはり視覚が優位です。

耳をそばだてて理性的に判断するというよりも、見た目から直感的に「この人はどんな人?」と考えていることがほとんど。だから普段の生活においては、「耳」よりも「目」のほうが、印象づくりに大きく関係しています。では、印象が良いのは、どんな装いなのでしょうか。

相手に好印象を持ってもらえるビジュアルとは?

これに関して、心理学では「どういう格好だと、社会的IQが高そうに見えるか?」という研究がされています。社会的IQとは、一般的に社交性や社会性があるかどうかということ。つまり、人に好かれたり、人気があったりする人は、どんなビジュアルを提供しているのかということについて調べているんです。結論から言うと、実は「どんな服装をしているか」とか「どんな色を使っているか」は印象づくりにあまり影響がないことがわかっています。

というのも、赤でも青でも、〇でも□でも、それぞれの色や形の長所と短所があり、総合的には印象づくりに大きな差がないということ。一連の研究では、社会的IQの高低は「どんなオシャレをしているか」というよりも、「オシャレをしようとしているか」という姿勢が大きく関係します。よって自主的にオシャレをしようとしている人が、おしなべて社会的IQが高いと判断されるのです。

確かに、髪型や洋服がいかにゴージャスだったり、素敵であったりしても、ワンパターンだとあまり社交的な人に感じませんよね。また実際にデータとしても、こういうタイプの人は社会的コミュニケーションが苦手であるという結果も。

反対に、もしオシャレとしてイケてなかったり、トレンドの正解ではなかったとしても、季節やイベント、その日のテーマによって、周囲の目を楽しませてくれる人は好かれやすい。「この人は社会に対して心を開いている!」と感じられるので、本人が魅力的であるように見えるのです。そして実際に、ビジュアルをあれこれ変えようとする人は、コミュニケーションが上手な人が多いという結果も出ています。

よって「何を話すか」ということも大事ですが、普段の生活では「相手の目にどう映るか」が影響大。そしてそれに正解はなく、大切なのは、本人が自分らしいスタイルの工夫をしたり、自分の装いを研究しているという「努力」の痕跡なのです。

自分らしさを演出するために、さまざまな色を使い、いろいろな雰囲気をコーディネートする。そして、装いの「正解」を探すのではなく、その種類を増やすことで、よりよい印象を残すことができるのです。

さて次回は、騙されにくくなれば、何事も圧倒的に有利になる!「嘘をついている人を見抜く心理学」をお教えします。お楽しみに!

瞳にまつわる心理学トップに戻る