友人の結婚式などに呼ばれると 「どうして彼があんな美女を射止めることが出来たの!?」と驚くこともありますよね。とはいえ、それは少数派で、見るからに 2人の雰囲気が似ていて、まさにお似合いと思うこともしばしばです。美女と野獣カップルと似たものカップル...どちらも幸せそうですが、これは心理学で言う「マッチングセオリー」という現象が 上手く当てはまっているからだと思います。
マッチングセオリーとは 「人間は似た者同士の方が上手くいく」という仮説ですが、 代表的なものとしてはアメリカの心理学者マースティン・セリグマンの実験があります。彼は99組のカップルの写真を用意し、男女8人の評定者にルックスの魅力度を5点満点で評価させました。 すると、実際に付き合っているカップルの60組には男女の間でたった0.5点以下の差しかなく、反対に見た目が不釣り合いで点数に開きのあるカップルは39組に留まることがわかったのです。この結果から 「美男子は美女を、美女は美男子を選ぶケースが多い」というマッチングセオリーを唱えました。
このマッチングセオリーは当時、心理学者の中で大変な話題となりました。人は人を見た目で選んでいるということが、他の心理学の理論と照らし合わせると、にわかには信じられなかったからです。そこで多くの心理学者がさらに研究を深めたところ、マッチングというのはルックスだけではなく、内面も含めて総合的にマッチしているということが判明しました。
たとえば意中の女性が美人で、自分のルックスでは相手にされないのではと弱気になっている男性も、仕事を頑張っていたり、料理が得意だったり、恋人にとても優しかったりと...他の素晴らしい面がたくさんあれば、気後れしてしまような高嶺の花の女性ともバランスが取れるということがわかってきたのです。
もちろんこれは女性の場合も同じです。 自分には手が届かなそうなイケメンに恋をしてしまった場合、 整形手術やお化粧でルックスだけの帳尻を合わせるよりも、性格や知識量などの内面的な特技を磨く方がマッチングしやすいということ。ルックスにコンプレックスを抱いて、手をこまねいているヒマはありませんね。 大切なのは、他人から「お似合いのカップルですね」と、無責任に見た目を褒められることなのではなく、 本人同士が 「バランスが良いカップルだな」という主観的感覚を持ち合っていることです。
つまり、肝心なのは、相手に尊敬されることや、こんな人と釣り合うような自分になりたいと感じさせること。すぐに変えられない体型や目鼻立ちのことを悩むことより、性格の優しさや豊富な知識、 自分が頑張って築いてきた社会的地位や経済力など、自身の努力で変えられることをさらに高めていくことで、ルックスだけのマッチングセオリーではなく、人間性全体のマッチングを成立させる。そのことにより、充実感のある幸せな恋愛や家庭生活が続いていく。これは間違いないことです。
もしあなたが好きな人と上手くいかない、 出会いがないなど、今の自分に満足してないのなら、 まずはイメチェンをして自分に自信を付けてみたり、内面のスキルをアップしたりするといった努力で、自らの総合得点を上げてみましょう。これはビジネスの上でも言えることですが、 あなたの総合得点が上がることで、マッチングするパートナーやハイレベルなお客様とも出会える可能性が高まりますよ。
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さて、次回は「顔の左半分は本心がでやすい? 表情認知の心理学」についてお教えします。お楽しみに!