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vol.48 2022/05/13

集合写真を見ると、その人の性格や将来がわかる? プロファイリングの心理学

写真の端に写りたがる人は、実は自分勝手な性格!?

「集合写真を撮りますよ。皆さん集まって下さい」と呼びかけられた時、あなたはその集団の中でどのポジションにいることが多いですか?最後列?最前列?それとも真ん中でピース?アメリカのプロファイリング研究では、その傾向は概ね子どもの頃から同じで、大人になっても変わりにくいということが分かってきました。

心理学におけるプロファイリング研究とは「人の性格パターンを読み解くこと」。そういうと何だか怖いですが、凶悪犯罪などが起きた時に犯人の行動パターンを推測するのに重視されている研究分野です。なんとアメリカではFBIによって約50年前から調査が行われており、現在では日本の犯罪捜査でも利用されているとのこと。行動はその人の性格を推測するのに重要なヒントを与えてくれるわけですね。さて、そのプロファイリング研究では膨大な数の集合写真を調査し、どこにポジションをとって、どんなポーズをする人にどのような傾向があるのかというデータが蓄積されているのです。

まずは、集合写真で目立たない端の場所を選ぶ人。常に「イヤイヤ、私はここで...」と端を選ぶという人は、中央に出てきて写りたがる人よりも控えめな性格に見えますよね。しかし、実はこれにはカラクリがあるようです。端をキープすることで、左右どちらかに空間をあけて自分の場所を大きく取ろうとする性格だと判定されるのです。またよく考えてみたら「並んで下さい」と言われても、いつまでもモゾモゾと端にいるというのは集団列を作ることに積極的ではないということでもあります。そのような観点からも、いつも端に写りたがる人は、自分のパーソナルスペースを大事にし自分のタイミングや自由を愛する人。それが裏目に出ると自分勝手な性格であると分析されてしまうようです。

みんなの真ん中でピースする人は、実はいい人!

次に中央で写りたがる人についてですが、このタイプの人は、両端に人がいても気にならない。つまり、自分のパーソナルスペースがなくても大丈夫な人だと解析されます。一見「自分大好き」「自分が一番」に見られがちですが、これもよく考えてみると、両側に人がいて自分のポーズが制限されたとしても大丈夫な人なのです。そうなると、出しゃばりどころか周囲とバランスを取りながらやっていける、規範に沿える性格の人。協調性が高い人と分析されるのです。みんなの真ん中でピースをとる人は「ウザい人」ではなく、実は「いい人」なのかもしれませんね。

また、米・デポー大学の心理学者であるマシュー・ハーテンステイン氏の研究によると、卒業アルバムで笑っていない人の離婚率は、笑顔の人に比べて5倍になるという結果もあります。これは由々しき事態です。5倍ってすごいじゃないですか。そのことに関して、彼はこう解釈しています。「そもそも卒業アルバムの撮影は、慣れない場面で誰しも緊張してしまいます。そのような時に笑顔を作れる人はメンタルの強い人。人に対して心を開いている人ではないか」と。そもそも卒業アルバムのような緊張場面でビッグスマイルを作れる人は、元来ポジティブだったり、状況変化に対してのしたたかさを持っていたりする可能性が高いのかもしれませんね。だから、日米ともに、その笑顔とメンタルの強さは結び付けられることが多いのでしょう。

ちなみに日本では、離婚は結婚の失敗と思われてしまうなど、あまり良いイメージがないですがアメリカではそうでもないようです。たとえば、家族や友人が離婚した時「この結婚はあなたにふさわしくないようね。神のお導きに従って、次の結婚の準備を始めましょう!」「幸せへの次のステップね!」という言葉がけがよく行われています。

このようにいくつかまとめてみると、何気なく撮る集合写真からも、いろいろプロファイル出来るものですね。もちろん、行動と性格が100%一致するということはありませんが「私はいつも端っこにいるな」「当時、片想いしていた彼女はこういう性格だったのかな」。なんて、昔の集合写真を見返して懐かしむヒントになるかもしれませんね。

さて、次回は「がっつりメイクは実は損!? 『キレイ』の知覚にまつわる心理学」についてお教えします。お楽しみに!

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