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vol.68 2024/01/12

『内面が見た目に表れる』はホント?気持ちと外見にまつわる心理学

人の顔つきは周囲の環境によって作られる!?

内面が見た目に表れるとよく聞きますが、本当にそうなのでしょうか? 米・カリフォルニア大学の心理学者であるアルバート・メラビアンが提唱したことで有名なメラビアンの法則では「人の印象は見た目が55%」と言われています。ここでいう見た目とは、必ずしも「顔立ち」や「造作のバランス」ではありません。人の印象に直接、影響するのは、目つきや顔つき、姿勢や歩き方といった全体的な雰囲気や表情なのです。

しかも近年の研究では、その見た目を決定づけるのは、なんと「環境要因」であることが大きいということも注目されています。環境要因とは、あなたが周囲からどのように扱われているかということ。たとえば、あなたが尊敬されていたり、周りからフレンドリーな扱いをされたりする場にいつも身を置いているとします。すると、自ずと人の目をまっすぐに見たり、口角を上げて話をしたりといった「前向きで社会に対して開いた顔つき」になっていきます。自信という感情が、明るくて素敵な顔つきを作るわけです。

でも反対に「この人は能力がない」と決めつけられていたり、精神的に否定されがちな場にいたりしたら...、表情が暗くなったり、目つきが悪くなったり、ボソボソと話すようになったりして当然です。どんなに素敵なルックスを持っていても、周りからずっと否定的に扱われていたら、「後向きで社会に対して閉じた顔つき」に変わっていってしまいます。

見た目を良くするために、ハッピーな環境を自ら整えていこう

このように、見た目を作るのはあなた自身の問題というよりも、あなたが身を置く「環境」の問題であることも少なくないわけです。人は、周囲から期待される性格やこの人はこんな人だろうと思い込まれる性格に、実際に「フィット(同化)」しながら、自分の雰囲気を知らぬ間に変えていく生き物なのです。そう考えると、見た目を良くするためには、あなたにとってできるだけハッピーな環境を自分で整備していくのが近道といえそうですね。

あなたに自信を与えてくれるのはどういう人ですか? あなたをいつでも歓迎してくれる人は誰ですか?...つまり、あなたを笑顔にしてくれる人と話をしたり、定期的に会ったりする機会を自分で増やしていくことが大切です。そして反対に、あなたを否定するような場や、あなたを疎かに扱うような人からは、少しずつ距離を置くように心がけてみましょう。現実的には簡単なことではないかもしれませんが、環境のバランシングを率先して心がけることが、あなたの感情や内面、ひいては好かれる外面を作っていくためには重要なことなのです。

さて、次回は「視野の広い人になりたい! 柔軟で多面的に物事を捉えるための心理学」についてお教えします。お楽しみに!

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