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心理学者 植木理恵の瞳にまつわる心理学

心理学者 / 臨床心理士
植木理恵
vol.91 2025/12/11

知的に見えるのはどんな人? スマートな印象の心理学

知性は見た目や話し方でも印象を左右できる

初対面の人から知的な人だと思われたい。そして信頼を勝ち取りたい!かといって、表面的な知識では間に合わない…そんなとき、「印象」だけでもどうにかならないものだろうか。大切な商談やプレゼン、デート等の前に、こういった気持ちになることがありますよね。

実は、心理学では、知性は「見た目」や「話し方」でも、十分印象を左右できると実証されてきています。ある調査によると、知性を感じられる人の共通点は、次の8つだといわれています。
(1)髪型や爪などに清潔感のある人。
(2)スーツや襟付きシャツなど、TPOに合った格好をしている人。
(3)シャープで力強い目元をしていること。
(4)眉が左右対称で自然なアーチを描いていること。
(5)わざわざ難しい言葉を使わず、ざっくばらんに話す人。
(6)聞き手に敏感で、相手の理解度に合わせて話を進める人。
(7)例え話や比喩を用いて、わかりやすく話す人。
(8)相手の話にしっかりリアクションを取り、傾聴の姿勢を示す人。

(1)~(4)は完全に見た目ですから、洋服や化粧、眼鏡などで工夫できますね。問題は(5)~(8)です。内面に例えるなら、知的な人とは「知性を振りかざす」「立て板に水のように喋りたてる」タイプの人とは正反対なのです。つまり、清潔感を感じさせ、フレンドリーで思いやりがあり、聞き上手な人ということ。たしかにそのような人は、周囲に安心感と信頼感を与えますよね。

さらに、知的な印象を与える人は、「学び続ける姿勢」をアピールできる人です。1つの事にこだわらず、相手が提案する幅広いジャンルに興味を示して、それに柔軟な思考を巡らせるということも大切です。そして「知ったかぶり」をせずに、わからないことはすぐに調べたり、尋ねた方が、知的好奇心があって、知性も高めなイメージを与えるものです。

お門違いな発言は、知的とは逆の印象を与えかねない

これは私の経験ですが、とある「高校生ビジネスコンクール」に審査員として参加したときのことです。ある高校生が『ゴミをみんなで拾う街づくりシステム』という企画を発表しました。内容を調べ上げ、よく練られたハイレベルなプレゼンでした。しかしその発表に対して、ある審査員が急にこう詰問したのです。「ゴミを拾うのは当たり前。むしろ捨てないことが大事なのでは? そこはどうなの?」と。これはいかにも鋭いことを指摘しているように見えるかもしれませんが、印象心理的には、実は最も知性を感じさせにくい発言。なぜなら、その高校生はゴミを「拾う」話をしているのに、ゴミを「捨てる」ことに関してはどうなのよ?と、みんなの前で尋ねる行為は、お門違いだからです。

心理学ではこのような人のことを「外在的な質問者」と言います。相手の言わんとしていること、つまり心の中に「内在」していることについて話そうとするのではなく、それを無視して、それより自分の心の中にある単純興味、つまり相手にとっては「外在」する無関係なことを指摘すること。評論家や先生、上司たちがやってしまいがちなことではありますが、気を付けないと知的どころかその逆の印象を与えてしまいます。

ですから、他人にあなたの知性を感じさせるためには、相手の話をよく聞いて共感を示しましょう。ある印象実験では、「知的」であるということよりも、「温かい」ということの方が人の記憶に残ることが実証されています。知的と思われるためには、共感的なコミュニケーションを心がけるのが近道ではないでしょうか。

さて、次回は「三角視線って知ってる? 視線パターンの心理学」についてお教えします。お楽しみに!

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vol.91 2025/12/11

知的に見えるのはどんな人? スマートな印象の心理学

知性は見た目や話し方でも印象を左右できる

初対面の人から知的な人だと思われたい。そして信頼を勝ち取りたい!かといって、表面的な知識では間に合わない…そんなとき、「印象」だけでもどうにかならないものだろうか。大切な商談やプレゼン、デート等の前に、こういった気持ちになることがありますよね。

実は、心理学では、知性は「見た目」や「話し方」でも、十分印象を左右できると実証されてきています。ある調査によると、知性を感じられる人の共通点は、次の8つだといわれています。
(1)髪型や爪などに清潔感のある人。
(2)スーツや襟付きシャツなど、TPOに合った格好をしている人。
(3)シャープで力強い目元をしていること。
(4)眉が左右対称で自然なアーチを描いていること。
(5)わざわざ難しい言葉を使わず、ざっくばらんに話す人。
(6)聞き手に敏感で、相手の理解度に合わせて話を進める人。
(7)例え話や比喩を用いて、わかりやすく話す人。
(8)相手の話にしっかりリアクションを取り、傾聴の姿勢を示す人。

(1)~(4)は完全に見た目ですから、洋服や化粧、眼鏡などで工夫できますね。問題は(5)~(8)です。内面に例えるなら、知的な人とは「知性を振りかざす」「立て板に水のように喋りたてる」タイプの人とは正反対なのです。つまり、清潔感を感じさせ、フレンドリーで思いやりがあり、聞き上手な人ということ。たしかにそのような人は、周囲に安心感と信頼感を与えますよね。

さらに、知的な印象を与える人は、「学び続ける姿勢」をアピールできる人です。1つの事にこだわらず、相手が提案する幅広いジャンルに興味を示して、それに柔軟な思考を巡らせるということも大切です。そして「知ったかぶり」をせずに、わからないことはすぐに調べたり、尋ねた方が、知的好奇心があって、知性も高めなイメージを与えるものです。

お門違いな発言は、知的とは逆の印象を与えかねない

これは私の経験ですが、とある「高校生ビジネスコンクール」に審査員として参加したときのことです。ある高校生が『ゴミをみんなで拾う街づくりシステム』という企画を発表しました。内容を調べ上げ、よく練られたハイレベルなプレゼンでした。しかしその発表に対して、ある審査員が急にこう詰問したのです。「ゴミを拾うのは当たり前。むしろ捨てないことが大事なのでは? そこはどうなの?」と。これはいかにも鋭いことを指摘しているように見えるかもしれませんが、印象心理的には、実は最も知性を感じさせにくい発言。なぜなら、その高校生はゴミを「拾う」話をしているのに、ゴミを「捨てる」ことに関してはどうなのよ?と、みんなの前で尋ねる行為は、お門違いだからです。

心理学ではこのような人のことを「外在的な質問者」と言います。相手の言わんとしていること、つまり心の中に「内在」していることについて話そうとするのではなく、それを無視して、それより自分の心の中にある単純興味、つまり相手にとっては「外在」する無関係なことを指摘すること。評論家や先生、上司たちがやってしまいがちなことではありますが、気を付けないと知的どころかその逆の印象を与えてしまいます。

ですから、他人にあなたの知性を感じさせるためには、相手の話をよく聞いて共感を示しましょう。ある印象実験では、「知的」であるということよりも、「温かい」ということの方が人の記憶に残ることが実証されています。知的と思われるためには、共感的なコミュニケーションを心がけるのが近道ではないでしょうか。

さて、次回は「三角視線って知ってる? 視線パターンの心理学」についてお教えします。お楽しみに!

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